岡山大学俳句研究部より、3月の俳句が届きました。
今月の句は「永日の 挽かれるを待つ 胡椒かな」です。
しかし、これではまるで句にならない。
そこで、掲句は、胡椒を主役に立てるという荒業に打って出た訳です。
結果は、見事に「吉」。
ミルで挽かれて、初めて、己を表現できる舞台に立てる胡椒が、句の主役として、一気に浮かび上がると同時に、中七にさりげなく置かれた「待つ」の斡旋によって、季語の「永日」とも響き合い、何か新しいことが始まる予感、先行きの希望まで抱かせてくれるようで、いかにも春らしい佳句となりました。
まさに、黒胡椒に命の芽生えた瞬間です。
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今月の句は「永日の 挽かれるを待つ 胡椒かな」です。
作者コメント
暖かくなり、昼間の時間が少しずつ長くなってゆく。ミルの中に詰まった胡椒は、挽かれる時を日永の中でじっと待っている。解説
料理を楽しむ側の立場からすれば、黒胡椒のあのピリリとした味覚と芳しい香を嗅ぎたくなれば、粒胡椒の入ったミルを回せば良い、ただそれだけのことである。しかし、これではまるで句にならない。
そこで、掲句は、胡椒を主役に立てるという荒業に打って出た訳です。
結果は、見事に「吉」。
ミルで挽かれて、初めて、己を表現できる舞台に立てる胡椒が、句の主役として、一気に浮かび上がると同時に、中七にさりげなく置かれた「待つ」の斡旋によって、季語の「永日」とも響き合い、何か新しいことが始まる予感、先行きの希望まで抱かせてくれるようで、いかにも春らしい佳句となりました。
まさに、黒胡椒に命の芽生えた瞬間です。
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