岡山大学俳句研究部より、4月の俳句が届きました。今月の句は
造花買ふ ことより始む 春休み」です。

作者コメント

春休みは時間がゆっくり過ぎていく気がする。何もすることが見出せなかったが、とりあえず造花でも買って、部屋を賑やかにすることから春休みを始めよう!

解説

春休みに入る頃には、寒さも和らいでくるので、気持ちが緩み、「ひねもすのたり」とした気分に浸りたくなるのは、ごく自然のなりゆき。

ボケーとして何をするでもなく、ただ、無為に時の過ぎゆくのを愉しむことが、正に値千金なのです。

そのような長閑さが許される時期ですが、作者の真面目さは、無為に過ごすことを許さない。“何かしなくては!”という強い焦燥感に苛まれつつも、特段、やりたいことが見つからない。そんな時、改めて自分の居る部屋を見まわしてみると、何と殺風景なことか!

そこで、咄嗟に造花でも買って、部屋を華やかにしてみようと閃いたのです。

思い立ったが吉日で、勇んで造花を買い求め、部屋を飾ってご満悦の表情が目に浮かびます。買い求めたのが、高価な生花ではなくて、造花というところも学生さんらしく好感が持てます。

岡山大学俳句研究部 過去の作品

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