岡山大学俳句研究部より、2月の俳句が届きました。
今月の句は「鳥去つて 枯木に無音 残りけり」です。
作者コメント
鳥がただ、枯木から音もなく去る様子を読んだもの。そこには、ただ揺れている枯木が存在していて、音ではない何かが残っている。そんな枯木の侘しさを詠んだ句
解説
掲句の季語は「枯木」で季節は冬。
葉も散って、眺めているだけでも淋しさが込み上げてくるような木。
そんな裸木に、鳥たちが集まって来たのも束の間、蜘蛛の子を散らす様に飛び去ってしまった。
その刹那を詠ったものですが、今、目の前にあるものは、枯木以外に何もない。しからば耳に聴こえ来るものはどうだろう?
もちろん、鳥は去って聴こえてくるものもない。すべてが「無」、そんな状況だからこそ眼前にある枯木と対峙し、込み上げてくる寂寥感に重さを感じ、「無音が残る」と表現したのかもしれない。
無論、「無音」に重さなどあるべくも無いが、秤で図る重さとは異なる領域で、実在する重さ以上に重量を感じる場面も、世の中にはたくさんありそうです。
岡山大学俳句研究部 過去の作品
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