岡山大学俳句研究部より、6月の俳句が届きました。今月の句は
「童謡の 二番に気づく 子供の日」です。
作者コメント
テレビ番組のBGMとしてかかった童謡を、父がパソコンで流したことがきっかけで、歌詞に二番の存在を知りました。
その内容が想像力を掻き立てられるものだったことから、新鮮さを感じ、俳句にしてみたいと思いました。
解説
幼い頃、祖母から口伝に教わった「七つの子」や「夕焼け小焼け」などの童謡の数々。今でも、ふと口をついて出てくることがあるが、大抵の場合、思い出せるのは1番までで、2番以降を思い出せないのは良くあることです。
ところが、この作者の体験は、私が経験した「2番が思い出せない」のではなくて、何と、「2番があるのを知らなかった」という点。
作者は現在、大学1回生であるが、私と同世代の人たちにとっては、作者の話など想像もできないことでしょう。
さて、掲句の季語は「子供の日」で季節は夏。
作者の幼少期には、童謡を聞いて育つという環境は既に消え失せ、聴いたとしても精々は触り程度、歌詞を最後まで口ずさんだことなどは無かったに違いない。そんな作者にとって、父親が何の気なしに流した童謡に二番があったんだ!という驚きは余りにも新鮮だった筈。
こうした日常のふとした発見を、さりげなく取り上げて爽やかな一句に仕上げてしまう作者の力量と感性の瑞々しさは羨ましくもあります。
素直で純朴な句であるが故に、却って、キラリと光るものを感じてしまうのは、果たして私だけでしょうか?
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