【おひさまコラム】無電化地帯に笑顔と電気と供給しよう(3)

 

(1)社会的共通資本

以前、宇沢弘文氏の提唱した「社会的共通資本」について紹介をしました。

↓以前のコラムはこちら
【おひさまコラム】無電化地帯に笑顔と電気を供給しよう(2)
【おひさまコラム】無電化地帯に笑顔と電気を供給しよう(1) 

「社会的共通資本の具体的な形態は、三つの類型に分けられる。自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本の三つである。この分類は必ずしも、網羅的でもなく、また排他的でもない。社会的共通資本の意味を明確にするための類型化と考えてもらって構わない。
自然環境は、森林、河川、湖沼、沿岸湿地帯、海洋、水、土壌、大気など多様な構成要因から成り立っている。これらの自然環境は、人間が生存するために不可欠なものであるだけでなく、人々の経済的、文化的、社会的活動のために重要な機能をはたしている。このような視点から、自然環境はしばしば自然資本とよばれているわけである。
社会的インフラストラクチャーはふつう社会資本とよばれているものである。道路、橋、鉄道、上・下水道、電力・ガスなどから構成されている。これらの社会的インフラストラクチャーの構成要因は、それぞれの機能に応じて、公的、私的いずれかの所有形態をとることはいうまでない。
制度資本は、教育、医療、金融、司法、行政などさまざまな制度的要素から成り立っているが、自然環境、あるいは社会的インフラストラクチャーと必ずしも区別されない場合も少なくない。」
「これらはいずれも、仮に私的所有あるいは管理が認められたとすれば、実質所得分配の不平等化という面からも社会的にきわめて望ましくないような状況を生み出す。」

(出典:「経済と人間の旅」(日本経済新聞出版社))

社会的インフラとして位置付けられるのは、「電力、ガス」です。自由化という位置付けで、電力とガスについては自由化が始まっています。

これまで総括原価方式で販売されていた「電力とガス」は、自由化に伴い、大手電力会社や大手ガス会社よりも、条件によっては、安く新電力などから購入(選択)できるようになりました。新電力の電気は、ユーザーに対して電源構成を明らかにしたり、またはポイントをつけたりと競争原理が働いてきています。

このように電力会社を選択できるのも、実際は2012年7月からスタートしている「固定価格買取制度」が大きく貢献していると考えることができます。多くの発電所を所有している企業は発電所を建設しながらも、一定の収益を確保することができています。売るほどにたくさんの電気があるのなら、その次の取り組みとして、グループ会社や協力会社から電力小売業を始めることができるのではないか考えることができるのです。

(2)再生可能エネルギー事業(太陽光発電事業)

太陽光発電メガソーラー(1000kW)の年間発電量は約100万kWh。一般家庭における電力の使用量が年間5000kWhであれば、約200世帯の電力を賄うことができます。太陽光発電は昼間の晴天時しか発電をしないので足りない電力を他の電源(火力発電、風力発電、バイオマス発電)や市場などから調達することによって、電力小売事業を成立させることができます。(以下、ならコープグループにおけるエネルギー事業の全体像。株式会社CWS(ならコープグループの子会社)は小売電気事業者として許認可登録をしています。)

(出典:https://denki.cwsnara.co.jp/

宇沢氏が指摘するように、「社会インフラ」は公益的に有するのが望ましいという解釈をするのであれば、各地方自治体や協同組合組織がこのようなエネルギー事業を展開するのが良いと考えます。

なぜ、協同組合なのでしょう?

協同組合の理念は、あくまでも利用者の最大利益の追求だからです。出資、利用、運営する組合員の総意によって、再生可能エネルギー事業も推進することが可能なのです。

(3)協同組合の展開

日本では、協同組合が浸透していますが、ザンビアではそのような組織が存在しているかどうかは不明です。ザンビアでは国営企業である電力会社が大きな水力発電を所有しており、仮に水が枯渇するとき(渇水時)はその電力が得られず、主要産業である銅の精錬事業が立ち行かなくなり、経済状況が不安定になるようです。

ザンビアで食料品を露天で購入した時、産地、収穫日、消費期限など不明な商品が販売されていました。今後、途上国などを支援する場合、再生可能エネルギーも大切ですが、「協同組合」などの自治組織を形成して行く必要があると感じたのです。

(写真)アライアンス・カレッジにて、ザンビアでの視察

例えば、日本で途上国を支援する協同組合や自治組織を形成し、日本で再エネ事業を展開します。そして、その組織が途上国での物販やサービスなど支援する体制を構築してはどうかと考えています。このように展開することによって、再エネの収益を活用して途上国での問題を解決していくことが可能であると考えるのです。
再生可能エネルギーの発電事業に取り組んでいく上で、最近よく耳にする「限界費用ゼロ社会」に再生可能エネルギーが適用されると、私は考えています。

次回、「限界費用ゼロ社会」についての話をしたいと思います。

(つづく)まつもとてるお

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投稿日時:2018年4月27日
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