前回の湿度についてのお話にも湿度に影響するものの中に“換気”がありました。
換気というと真っ先に思いつくのが窓を開ける事!!
でもこの冬の寒い時期に窓を全開するのは勇気のいる事。また、せっかく温まった空気を逃がしてしまうと考えると・・・・
では、窓を開けない換気の方法ってあるのかな??
今回は、換気について勉強してみようと思います。
昔の家と今の家
木材や紙など天然材料で建てられた家は、いつも自然に呼吸(換気)していました。アルミサッシなどの建築資材の性能向上によって家の気密性が高まってきました。機密性・断熱性が高まったことによって、外気に影響を受けることなく冷暖房効果が向上した半面、自然換気が減り計画的に換気を行わなければならなくなりました。
換気とは?
換気とは
室内の汚れた空気を新鮮な外気と入れ替えること
換気回数と換気量
換気回数(回/h):室内の空気が1時間に何回外気と入れ替わるか
換気量(㎥/h):入れ替わる空気の量
換気経路
換気をする際、できるだけ汚れた空気を排出するとともに、排出された空気が再度外気として 入ってくるのを防ぐ必要があります。 そこで、換気の計画をたてるためには、給気から排気にいたる空気の流れ(換気経路)を考 えることが重要になります。
(出典:財団法人ベターリビング「住宅の換気設備マニュアル」)
ガラリ:ブラインド状の羽根板を平行に取り付けたもの。視線を遮り、通風をよくできるため、洗面所や浴室、クロゼットの扉に用いられることが多い。ドア下部にガラリを設置したものをドアガラリ、ドア全体に付けたものをガラリ戸、よろい戸ともいう。
アンダー・カット:建具の下部分を1センチ程度カットし換気経路を確保すること
換気方法について
換気の範囲
全般換気 | 住居全体を換気 |
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局所換気 | 住居の一部(台所レンジ゙、トイレ、浴室など)を換気 |
換気の方法
自然換気 | 換気口により換気 風力、温度差など自然現象により換気量が変動 |
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機械換気 | 換気ファン等により換気 機械力により強制的に排気、若しくは給気を行うため、より確実な換気量の確保が可能 |
機械換気の種類
第1種換気 | 給気と排気の両方とも換気ファンを用いるもの |
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第2種換気 | 給気は換気ファン、排気に換気口を用いるもの |
第3種換気 | 排気は換気ファン、給気に換気口を用いるもの |
(出典:財団法人ベターリビング「住宅の換気設備マニュアル」)
機械換気の運転
連続運転 | 常時の汚染・臭気発生源(居室など)を換気 |
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間欠運転 | 一時的な汚染発生源(台所レンジ、浴室など)を換気 |
換気の役割
★除塵
空気中のほこりには、目に見えない有害な雑菌が付着していることもあるのです。換気によって室内の塵埃を追い出せば、衛生的で快適な空間に。
★室温調整
夏の夜、換気扇で室内の暑気を追い出し、涼しい外気を取り込めば換気冷房。循環式の換気扇は冬の暖房効果も一段とアップさせますよ。
★脱臭
換気扇は、いろいろな原因から発生する不快な悪臭をすみやかに排出し、快適な環境をつくります。
★除湿
住まいの換気は、お風呂場だけとは限りません。人や燃焼器具からも水分の放出があるので換気は必要です。また、結露によるカビの発生や床、壁のいたみも問題です。室内の湿気は、換気によって取り除けます。
24時間換気システム
新築では義務付けられ、シックハウス予防に有効。
新築やリフォームした住まいに入居してから、目のチカチカ、吐き気やめまい、頭痛を起こすシックハウス症候群が問題になっています。建材や家具、日用品などから出るホルムアルデヒドやVOC(トルエン、キシレンなど)の揮発性有機化合物が一因と考えられています。
シックハウス対策として、ホルムアルデヒドを含む建材の使用制限とともに、24時間換気システムが今日の建築基準法によって義務付けられています。住宅の場合、0.5回/1時間以上の換気(2時間で部屋の空気が全部入れ替わる)ができるシステムが必要となります。
全熱交換型換気
冷暖房中の室内では空気の入れ替えが必要ですが、換気をするとせっかく冷暖房したエネルギーが逃げてしまいます。
夏であれば、室内に入ってくる熱い空気の内、熱のエネルギーだけを、エアコンで冷やされた空気に取込んで排気し、新鮮な空気だけを取り込む事ができれば効率的です。
効率の良い換気は、室内の温湿度条件に近い状態で給気し外気の温湿度に近づけて排気するかで決まります。
全熱交換型換気は、給気と排気の間で温度と湿度だけを交換し、室内の温湿度条件に近い状態で換気するシステムです。
第1種換気を全熱交換型換気で行う事により、家の中の温度を変化させず、かつしっかりと換気を行い結露も防げます。
しっかり勉強して新鮮な空気を家じゅうに取り込み健康に暮らしたいと思います。
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