成田空港よりノルウェー(オスロ)へ。
在ノルウェー日本大使館への表敬訪問し、概要を説明していただきました。

(1)社会事情

①ノルウェーは非EU加盟国です。石油・天然ガスの輸出、豊富な水力発電を利用した化学工業などで立国しています。中・長期的に国としては石油・天然ガスの枯渇を見越して、それらへの依存から脱却を図っており、稼いだ外貨を政府基金に入れてグローバルで運用しています。

②北欧は戦争の歴史があり、今は繁栄を謳歌しているが、苦労の上に成り立っています。北欧では税負担率60%ですが、日本でも所得税や消費税を合わせればあまり変わらなく、貯金はあまりしないそう。海外バカンスなどは普通だが、将来への安心感があるからでしょう。

③国内では原油を使わない方向を明確に打ち出しており、電気自動車を優遇しています。電気自動車に対する優遇措置は明確で、電気自動車は車両税が免税、高速も無料化、高速のバス・タクシーレーンが走れる、電気チャージも無料です。日産リーフ・テスラ・VW電気自動車などが割に多く走っています。(写真:街角の給電器)

④課題への対応については、官僚主導というよりは政治家主導の色が強い気がしました。

(2)小売業・物流事情

①Posten Norgeが日本でいう日本郵政にあたり、サービス名ではPostenが郵便、Bringが小包、合わせて年商3,500億円程度。民間事業者ではDHLなどがあります。(写真:Bring車両)


②Amazonは未進出、それ以外のネットスーパーも出ては消えていくイメージとのこと。BtoCでも基本は郵便局や店舗受取型、宅配は明確に別料金を取るため、ラストワンマイルは特に問題になっていないようです。

③BtoB物流は海運で一部を渡すが、大半はトラック物流。オスロから北部の町は福岡から仙台くらいまでになり、非常に広範囲になります。

(3)所感

ノルウェーが財政・エネルギーなど国家的な課題に対して、非常に戦略的な国であることに感銘を受けました。高いといわれる消費税も、所得税と合わせれば国民負担は日本と大差がないそうです。北欧と同じオプションを国民にきちんと説明できていない政府、また知ろうともしていなかった自分を変えなければいけません。eコマースでも基本は店舗まで取りに来る、それ以上のサービスにはきちんと対価を払う、という姿勢も当然ですが良いと思いました。

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