「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」の買い取り価格を決める調達価格算定委員会が2021年1月22日に開催されました。
今回の案では、
10kW未満:2021年度19円/kWh、2022年度は17円/kWh。
10kW以上50kW未満:2021年度12円/kWh+税、2022年度は11/kWh+税。
2020年度から設定されていた、10kW以上50kW未満の太陽光発電の「自家消費型の地域活用要件」(①再エネ発電設備の設置場所で少なくとも 30%の自家消費等を実施すること②災害時に自立運転を行い、給電用コンセントを一般の用に供すること)が据え置きとなっています。
また、10kW以上については、解体等積立基準額も示しました。
(出典:第67回 調達価格等算定委員会)
FIP制度に向けて
改正法により、2022年4月よりFIT制度に加え市場連動型のFIP(Feed-in Premium)制度を導入することになっています。
FIP制度とは?
電気を卸市場などで販売し、売れたぶんに対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せする方法です。再エネ導入が進んでいる欧州で導入されている制度で、再エネが自立したエネルギー源となり、普及がさらに進むことを目的としています。
プレミアムは一定額ですが、市場価格の水準にあわせて一定の頻度で更新されます。そのため、再エネ発電事業者の収入は市場価格に連動します。ということは、市場価格が高くなる電力需要のピーク時に電気を販売できるほうが、ビジネスとしてはより良いということになります。
(出典:2021/1/13 FIP制度の詳細設計とアグリゲーションビジネスの更なる活性化④)
2022年度からFIPに移行する太陽光は「連系出力1MW以上」とし、「50kW以上1MW未満」はFITとFIPを選択でき、「地域活用要件を満たす10kW以上50kW未満」、「10kW未満の住宅太陽光」は、引き続きFITによる固定価格での買い取りとなるそうです。
(出典:第67回 調達価格等算定委員会)
今後、地域活用要件を課していない50kW以上についても、早期のFIP移行を目指すとのことで、FIP 制度の下での発電事業の案件組成や周辺ビジネスが発展していきそうです。