以前、薪ボイラー事業について紹介しました。ちょうど、昨日、西粟倉村の元湯に行ってきました。
今回はチップボイラーに関する記事が山陽新聞(3月29日)に掲載されていたので、その内容について紹介します。今後、エネルギーヴェンデを展開していくためには、熱利用も確実に経済性を持って、取り組んでいく必要があると考えています。
以下、記事内容を抜粋。
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場所は「もえぎの里 あば温泉」(津山市営の日帰り温泉)で、32.5度の源泉を41度に加温・維持するチップボイラーが稼働している。
施設は2000年にオープンし、07年からチップボイラーを導入。
通称「木の駅プロジェクト」。
実施主体は、住民130人余りが出資して昨春設立した合同会社「あば村」。
山主に間伐材を集積場(木の駅)に運んでもらい、1トン当たり5000円換算で、あば温泉や商店など阿波地区の8店舗で使える地域通貨「こもれび券」や作州津山商工会の商工会と交換。同社が破砕機で木材をチップ化し、温泉施設を指定管理する第3セクター・あばクリーン公社に1トン当たり約10,000円で販売する。
プロジェクトは12,13年度の社会実験を経て、14年度から本格稼働。あば村によると、昨年4〜12月の9ヶ月で山主から間伐材計約60トンが持ち込まれ、約30万円の地域通貨と商品券を発行する一方、チップの販売収入として約60万円を得た。
ただ、温泉のボイラー燃料に必要なチップは年間約400トンに上る。・・・木材価格の低迷や少子高齢化による担い手不足で、現時点では地元だけでの供給には限界があるため、地区外の林業事者などから木材やチップを購入しているという。
こうした状況を踏まえ、中山間振興の一環で破砕機の無償貸与などで事業をサポートする市は「林業者の育成支援をはじめ、温泉の冷暖房もボイラーで賄うなどチップ需要の創出も来年度以降検討していく」(森林課)とする。
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私も、チップボイラー導入後、一度この施設を訪問したことがあります。記事から判断すると、この事業における経済効果として、
<昨年4〜12月の9ヶ月で山主から間伐材計約60トンが持込み>
収入 60万円
支出 30万円+経費(人件費、地域通貨発行費など)
<年間約400トンだと・・・>
収入 400万円
支出 200万円+経費(人件費、地域通貨発行費など)
http://abamura.com/files/kinoeki_hokoku.pdf
今後の運営方法として、撤退するJAガソリンスタンドの継続を目的に、平成26年2月に 地元出資により設立した『合同会社あば村』が、ガソリンスタン ドの運営とあわせて、木の駅事業や購買などを複合的に運営 を行う予定のようです。
自動車産業でハイブリッド自動車や電気自動車が普及する中、ガソリン販売は低迷しているようです。是非、この取り組みを参考にして、エネルギーヴェンデに取り組んで欲しいと思います。そのためには、地域協議会を発足させ、公設民営にて設備導入をして、事業を運営していく。地方へ単に補助金を提供するのではなく、しっかりと地域に根ざした事業(インフラ×人=公設民営)に補助金を活用して欲しいと考えています。