会社を設立して、4年が経過しました。おかげさまで昨年度はおひさま浅口発電所(609kW),おひさま浜田発電所(2,233kW),コープエナジーなら関連発電所(5カ所で計976kW)の運転を開始することができました。おひさま井原発電所、おひさま東洋コルク発電所も合わせると、約5メガの太陽光発電所が運転を開始しております。関係者並びに地域の皆様、本当にありがとうございます。

設立当初に掲げた「事業コンセプトとビジョン」についても、今年は少しだけバージョンアップしていきます。

【2012年設立当初】

 

【2016年度からの事業コンセプト】

2つめのコンセプトに、「自家消費」を加えます。ご存知の通り、FIT制度によって太陽光発電システムの導入コストが大きく引き下がりました。それによって、1kWhあたり24円(2016年度の買取単価)で全量売るよりも、場合によっては自分で消費する方が経済性や環境性といった観点でメリットを享受できる時代に突入したと考えます。

いわゆる「グリッドパリティ」の時代です。グリッドパリティとは、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの発電コストが、既存の電力コストと同等であるか、それよりも安価になることを指します。 グリッドは「送電網」、パリティが「同等」という意味です。

電力の単価はご存知の通り、基本料金と従量料金となっております。使用した電力量(kWh)に対して、いくら電気料金を支払ったかを計算すると、概算ではありますが、kWhあたりの電力料金が出ます。それを、現在の電力会社から購入している電力料金単価(①)としましょう。

それを比較する電源(電力)として、店舗や工場の屋根で設置する太陽光発電システムを想定します。システム単価も野立てや屋根置きでほぼコストが割り出せますので、その電力料金単価( ②)も設定可能です。

①と②とを比較して、同等、またはそれ以下であれば、「グリッドパリティ」が成立します。

また環境性のメリットで考えてみると、CO2削減に貢献します。FIT制度を活用した電源がCO2削減としてカウントできません。自家消費の電力は、通常電力会社から購入する電力量を減らすことができますので、直接のCO2削減につながります。他にも太陽光発電システムを屋根に設置した場合は、遮熱効果もあり、施設内環境も向上します。エアコン等の電力抑制にもつながり、電力消費も下がりデマンドの抑制につながるケースもあります。

昨年度は、(株)CWS様、市民生活協同組合ならコープ様と弊社で(株)コープエナジーならを設立しました。ならコープ様とエネルギー政策を検討し、エネルギー基本3原則(つくる、減らす、自立する)を設定しました。現在、ならコープ様の店頭で、「エネルギーは買うよりも、つくる、減らす、自立するがいい!」を合言葉に組合員向けにエネルギーサービスを展開し始めました。

先ほどの自家消費型太陽光発電システムは、まさしく「エネルギーは買うよりも、つくる、減らす、自立するがいい!」のコンセプトに合致したものです。太陽光発電システムを導入することによって、エネルギーをつくり、省エネにもつながります。そして、その電力は一切電力会社の送電線に関わらず自立して利用されます。

現在、小売電気事業の企画にも携わっていますが、電気料金の内訳を考えてみると、

(電気料金)=人件費等の利益(10~25%) + 燃料費 購入電力(50~60%) + 託送料金(25~30%)

となっています。

託送料金も大きな割合をしめていることがよくわかります。ちなみに、中国電力と関西電力の託送料金は以下の通りです。中国電力で低圧向けが「8.29円」、高圧向けが「3.99円」、特別高圧向けが「1.62円」,関西電力で低圧向けが「7.81円」、高圧向けが「4.01円」、特別高圧向けが「2.02円」となっています。

自家消費型発電所は、自ら発電所を建設・運営することによって、単に電力会社にお金が流れるのでなく、地域の電気工事会社や金融機関等にお金が流れ、そして自分の会社には、電気料金の支払い分だけのお金がストックされるようになります。

今年度は、電力自由化による小売電気事業がすでにスタートしております。また、生活者向けに企画しております「エネルギーサービス事業」がコープエナジーならにて先行してスタートしております。弊社スタッフ一同も「エネルギーは買うよりも、つくる、減らす、自立するがいい!」を合言葉に、事業者や生活者の抱えているエネルギー問題を解決提案し、安全・安心のエネルギーを供給できるプラットフォームを広げていきます。

 

<会社設立4周年を記念して>

2016年5月28日

おひさまエナジーステーション株式会社

代表取締役社長 松本照生

 

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